最新更新日:2024/07/01 | |
本日:35
昨日:239 総数:549210 |
美しく生きる
以前、清水中学校に教頭として勤めていた時の校長は柔道家でした。しかも柔道七段という神の領域に足を踏み込んだような達人でした。校長先生はよく自分に話してくれました。
「いいか、美しくあいさつをしろ。美しく話せ。美しく振る舞うことを旨とせよ。」 煩悩と邪念を筋肉でくるんだような自分にとっては、それこそ神の領域であり、超々…難しいことだと直感しました。かさねて校長先生はこのようなことを言われました。 「相手と向かい合ったとき、その人物の立ち振る舞いで勝つか負けるかがわかる。」 何か武士道の精神を伝授されるかのような深遠で哲学的な指導でした。 「美しく」とは見た目だけではなく、心の内面も意味しています。人間としての美しさとなれば気品や風格といった、その人物の醸し出すオーラのようなものも含まれることになります。はじめて会った人なのに、不思議な安心感があり、心が温かくなるような人や、威張ったり圧力をかけたりしていないのに、存在感があり自然に尊敬してしまう人、特に目立った飾り気もないのに立ち振る舞いの上品さに、自分が貧しく思えてしまうような人など、世の中には「美しく」生きている人がたくさんいます。そう考えると自分自身は、いまだに美しくあいさつができず、美しく話すこともできていないなと思います。憧れはしますが、これは一種の修行と年輪の賜のような気がします。もし「美しい教師」になれたとすれば、その立ち振る舞いで、一瞬にして生徒や保護者や教員の心を優しくとらえ導くことができるのかもしれません。 |
清水町立清水中学校
〒411-0903 静岡県駿東郡清水町堂庭267番地 TEL:055-975-1073 |