最新更新日:2024/06/29
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校訓「正しく 明るく 健やかに」

チャイルドとチルドレン

 今日の集会では,子どもを表す英単語,「チャイルド」と「チルドレン」から考えたことを話しました。

 英語で子どものことを「チャイルド」と言います。そしてこの単語の複数形,つまり子どもが何人かいた場合は「チルドレン」と言います。
 私が中学生時代にこのことを知ったとき,普通,複数形は単語の後ろに「s」を付ければいいだけなのに,どうしてこんなにも違った単語になってしまうんだろう,憶えるのが大変だ,と思ったことを記憶しています。
 どうしてこんなに違う単語なのでしょう。そこには深い意味が・・・。子どもは,一人の場合と何人かいた場合とでは別の存在だ,と言うことではないでしょうか。
 大人にも言えることですが,子どもが何人か集まると,一人では決してしないような悪いこともやってしまうことがあります。一人一人は,心の中で「これはやってはいけない」と思っていても,みんなの前では言いにくい,雰囲気に流されてしまう,気が大きくなってしまう。こんな経験は誰にもあるのではないでしょうか。随分以前ですが,お笑いの北野武さんが「赤信号,みんなで渡れば怖くない」と言いました。まさにこれです。
 何人かいると悪いことばかりかというと,決してそうではありません。例えば,体育祭の応援合戦。一人で踊っているのを見ても,「素晴らしい。上手だ」と感じることもありますが,何十人もの生徒が力の限り声を出し,一糸乱れぬ踊りを披露したときの迫力は,到底表現できません。また,集団でしかできない動きもあります。
 これは,合唱でも言えます。心を一つにして,多くの人が歌うからこそ,美しいハーモニーが生まれ,迫力も出ます。
 さらに,皆さんが授業で行っている「学び合い」も,決して一人ではできません。もちろん,一人で問題を解いたり教科書を読んだりして学習を進めることはできます。十分な成果を上げることもできます。しかし,「学び合い」では,分からないことを周りの人に聞くことができます。そして,聞かれたことを相手に説明することによって,自分の理解を確かなものにできます。また,自分の考えを伝えたり他の人の考えを聞いたりしながら,考えを広げたり深めたりできます。「三人寄れば文殊の知恵」ということわざがあります。文殊とは,知恵の菩薩(将来,仏様になる者)のことです。つまり,特別頭のいい人でなくても,三人寄れば,文殊に負けないほどのよい知恵を出すことができる,という意味です。実際に,「学び合い」を通して,いい解決方法が見つかった経験のある人も多いのではないでしょうか。
 良くも悪くも,集団の力は大きいです。学校は,生徒が集まる場所です。そんな学校だからこそできる活動を大切にしていきたいと思っています。
 チャイルドとチルドレンという英単語から,こんなことを考えてみました。

一冊の本から

 今日の集会では,一冊の本を読んで感じたことを話しました。

 本校では,生徒玄関を入ったところに本が並べてあります。そして,生徒が自由に手に取り,ノートに必要事項を記載し,借りていけるようになっています。私も先日,一冊の本を借りました。「人質の朗読会」(小川洋子著)という小説です。
 旅行者が企画したツアーに参加した8名の人たちが,遠く離れた外国で拉致,監禁されました。事件を解決しようと,特殊部隊が動きますが,残念ながら被害者は犯人によって爆破され,全員亡くなってしまいます。特殊部隊の人たちも何人かが亡くなったり負傷したりしました。
 拉致,監禁された被害者は,捕らえられているときに,一人一人の思い出を語ります。この小説は,その内容が短編集のような形で載せてあります。そこでは,人生の大きなイベントや出来事ではなく,日常の,ほんの些細なことが,思い出として語られています。例えば,公民館の中の小さな談話室での出来事であったり,路上で売られていたぬいぐるみの話であったり,また,通勤途中で出合ったやり投げの選手のことであったり。
 先回の講話で,私は「人生は要約できない」「学校生活は要約できない」という話をしました。大きなイベントや行事は大切だが,何気ない日常の積み重ねが人の人生や学校生活を作っている。友達との会話,毎日行っている授業や掃除,そういったものを大切にして欲しい。こんな話をしたと思います。
 この「人質の朗読会」を読み,改めてそのことを感じました。
 なお,この本を借りようと思った理由は,本のカバーに書かれていた内容紹介を読んで,興味を持ったからです。

 遠く隔絶された場所から,彼らの声は届いた。慎み深い拍手で始まる朗読会。
祈りにも似たその行為に耳を澄ませるのは,人質たちと見張り役の犯人,そし
て・・・・。
 人生のささやかな一場面が鮮やかに蘇る。それは絶望ではなく,今日を生き
るための物語。しみじみと深く胸を打つ,小川洋子ならではの小説世界。
〜中公文庫内容紹介より引用〜

 もしもこの本を読んだ人がいたら,是非感想を聞かせて欲しいです。人によって感じ方は違います。同じ小説を読んで,どのように感じたのかを知り,感性を広げたり深めたりしたいものです。

学校生活は要約できない

 今日の集会では,学校生活は要約できないことについて話をしました。

 私は本が好きで,よく小説を読みます。好きな作家がたくさんいますが,その中の一人,伊坂幸太郎の作品から,印象に残った文章を紹介します。
 「モダンタイムス」の中に,次のような一節があります。登場人物の台詞です。

 「人ってのは毎日毎日,必死に生きているわけだ。つまらない仕事をしたり,誰かと言い合いしたり。そういう取るに足らない出来事の積み重ねで,生活が,人生が出来上がってる。だろ。ただな,もしそいつの一生を要約するとしたら,そいういった日々の変わらない日常は省かれる。結婚だとか離婚だとか,出産だとか転職だとか,そういったトピックは残るにしても,日々の生活は削られる。地味で,くだらないからだ。でもって,『だれそれ氏はこれこれこういう人生を送った』なんて要約される。でもな,本当にそいつにとって大事なのは,要約して消えた日々の出来事だよ。子供が生まれた後のおむつ替えやら立ち食いソバ屋での昼食だ。それこそが人生ってわけだ。つまり」
 「人生は要約できない?」
     伊坂幸太郎 「モダンタイムス」より引用

 このことを学校生活に置き換えてみましょう。
 皆さんは学校で,毎日いろいろな活動をします。授業に参加し,クラスメイトと学び合ったり先生の話を聞いたりします。給食の準備や掃除に一生懸命取り組みます。朝や帰りには部活動の練習もあります。また,友達との関わりで,ホッとしたり,ちょっとしたトラブルがあったりすることもあるでしょう。
 こういう何気ない出来事の積み重ねで,学校生活が成り立っています。しかし,その学校生活を要約するとしたら,そういった変わらない日常は省かれてしまいます。入学式や卒業式,宿泊行事や校外学習,体育祭や文化祭といった行事は残るにしても,日々の学校生活は削られてしまいます。そして,「あなたはこれこれこういう学校生活を送った」なんて要約されてしまいます。しかし,あなたにとって本当に大切なのは,要約して消えた日々の出来事なのです。つまり,学校生活は要約できない,ということです。
 行事はもちろん大切。本番に向けて様々な準備をし,練習もします。行事を通して大きく成長します。しかし,学校生活は,日々の何気ない多くの出来事の積み重ねなのです。
 少し前に修学旅行が終わりました。そして,今週は2年生の野外活動があり,1年生は校外学習があります。これらの行事で感じ,学んだことを,是非とも日々の学校生活で生かして欲しい。そんなことを願い,あえてこの時期に書いてみました。

準備が人を成長させる

 今日の集会では,本番に向けての「準備」について話をしました。

 衣替えの季節になりました。集会でも夏服を着ている生徒がずいぶんと増えました。まさに初夏。新緑が目に鮮やかですが,次第に深い緑に変わっていく樹々の姿も楽しみです。
 さて,明日から3年生は修学旅行に出かけます。2週間後には,2年生が野外活動で佐久島へ,1年生も校外学習で,瑞浪市のサイエンスワールドに出かけます。それぞれ,準備は進んでいるでしょうか。「備えあれば憂いなし」。準備をしっかりしておけば心配はない,といった意味です。逆に,心配なく事を進めるためには,きちんとした準備が必要だ,という戒めでもあります。3年生については,明日出発ですので,準備は万端ですね。
 3年生は,明日からの修学旅行の準備として,係の人を中心に,様々なことを決めてきました。修学旅行の目的は何か,ルールやマナー,持ち物は? 時には仲間同士で衝突したこともあったでしょう。こういった準備を通して,修学旅行について,何が大切なのかを深く考えたり,仲間との絆や学年や学級の和を深めたりしてきたと思います。準備とは,本番を心配なく迎えるだけではなく,準備することを通して様々なことを考えたり感じたりする,成長の場でもあります。
 先日行われた中間テストでも,皆さんは,準備の計画を立て,それをもとに準備(勉強)をしてきたはずです。中間テストなどの定期テストは,現在の学力を測るといった目的があります。しかし,テストに向けて準備することで,それまでの学習内容を振り返り,学力の伸びと定着をさせる,といった大切な目的もあります。何も準備せずにテストを迎えても,テストを受ける意味はあまりありません。
 また,部活動でも,大会で成果を残すために,一生懸命準備(練習)をします。ここでも,準備を通して,その種目の技能を高めたり,体力や精神力を増強したり,あるいは部員同士の絆を深めたりします。何も準備をすることなく大会を迎えても,やはり意味はありません。
 「努力は報われるか?」とよく言われます。準備に力を入れ,努力することで多くのことが得られるわけですから,テストや大会などの本番で,結果が思わしくなくても,「努力は報われる」と言い切ることができます。
 日々の授業でも,予習や復習は次の授業の準備です。はやり,ここにも力を入れたいですね。
 中学校では,様々な活動を行います。いかに備えるか,その内容や質,量が,本番のでき具合を左右します。と同時に,準備そのものが,皆さんの成長にはなくてはならないのです。是非,準備に力を入れ,一人一人が伸びていってくれることを期待しています。

陰口とアドバイス

 昨日の集会では,室長,議員,委員長の認証を行い,その後,部活動で優秀な成績を収めた生徒の表彰を行いました。名前を呼ばれたときには,はっきりとした返事が聞かれ,とても頼もしく感じました。また,認証状や表彰状を受け取った生徒全員にインタビューをしましたが,誰もが自分の言葉で堂々と決意や感想を述べてくれました。
 さて,昨日の集会では,「陰口とアドバイス」について話をしました。
 陰口とは,陰で人の悪口を言うことです。アドバイスとは,その人に,直した方がいい点や意見などを教えてあげることです。陰口とアドバイスの違いは何でしょうか。それは,その人本人に,直接言うか言わないかです。
 例えば,嘘ばかりを言い,ほとんど信用されていない人がいたときに,本人のいないところで「あの子は嘘ばかりつくよね。だから信用できないよね」と,何人かで言っていたとしたら,それは陰口です。しかし,「君の言うことは嘘ばかりだ。そんなことでは信用されないよ」と,本人に向かって言ったとしたら,それはアドバイスです。
 アドバイスは,本人に直すべき点を教え,よい方向に向かわせることができます。また,何かの事情があってそのようになっていれば,本人の弁解を聞くことができ,互いに納得することができます。
 しかし,陰口は何も生み出しません。生むとすれば,陰口を言っている者同士の,陰湿な仲間意識ぐらいでしょうか。
 ただ,何でもかんでも本人に言った方がいいのかと言えば,決してそうではありません。本人の努力では何ともできないような内容。例えば身体的なことです。また,人を傷つけてしまうような,「死ね」「うざい」といった言葉。また,意地悪な言葉です。また,本人に言えないような内容は,本人のいないところでも言うべきではありませんね。
 同じ内容でも,本人に向けて言えばそれはアドバイスとなり,本人のいないところでの悪口は,それは陰口ということです。そして,内容によっては決して本人には言わない方がいいものもあるということです。
 言葉は,人を幸せにすることもあれば不幸にすることもあります。言葉には力があります。だからこそ,思いやりの心を持って言葉を遣い,誰もが温かい気持ちになれるよう心がけたいものです。

入学式式辞

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 新1年生の保護者の皆さま,お子さまのご入学,おめでとうございます。心よりお祝いいたします。2・3年生の保護者の皆さま,今年度もよろしくお願いいたします。

 さて,昨日は,入学式と始業式を行いました。そこで,入学式で述べた式辞の一部を載せたいと思います。

 新入生の皆さん,人にとって最も大切なものは何でしょう。やはり,それは命です。命はかけがえのないものです。自分の命はもちろん,自分以外の命も大切にしてください。まずはそのことを,強くお願いしたいと思います。
 次に,命と同じぐらい大切なものは何か。それは心だと思っています。人がどんな行動をするのか,どんなことをしゃべるのか,こういったことは,その人の心の持ちようによります。ですから,心はとても大切なのです。皆さんは,中学校生活3年間を通して,ぜひとも,心を鍛え,育てて欲しいと思います。
 では,どういった心を育てて欲しいか。
 多少苦しいことがあっても,頑張ってやり抜き,善悪の判断をきちんとし,悪いことは絶対にしない,という強い心。美しいものを美しいと感じたり,自然に感動したりする,感性豊かな心。人を思いやり,その人の気持ちになって考えられる,優しい心。
 このような心を持った人になって欲しいと思っています。そして,心を鍛え,育てるために,品野中学校では,様々な活動に取り組みます。毎日の,授業や部活動,生徒会活動や清掃活動など。また,体育祭や文化祭などの行事。こういった取り組みは,すべて,人との関わりを通して行われます。友達や先生たちと,ふれあい,話し合い,互いに助けたり助けられたりしながら,より充実した活動を目指していきます。新入生の皆さん,大いに心を鍛え,育ててください。
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学校行事
7/13 個人懇談会
7/14 個人懇談会
7/15 個人懇談会
7/16 給食最終 大掃除 教室ワックスがけ
7/17 1学期終業式
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