最新更新日:2024/06/27
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意味付け復唱法への招待6 授業力のレベルによって

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授業力のレベルによって、授業の原則は異なる。

例えば、「子どもの発言を復唱するな」という原則である。
その理由は、教師が復唱すると、子どもが聞かなくなるからという。
確かに、初任者の教師は、自分が理解するために、おうむ返しの復唱をしている。これは単なるリピートである。これによって、子ども達が聞かなくなる現象がある。

授業力が少し上がると復唱することが大切である。
特に意図的に復唱するのである。
その理由は、
1.子どもの発言を使って、数理を表現したいからである。
 よい授業、うまい授業は、子どもの発言をうまく利用している。決して、教師の言葉の説明ではない。生きた子どもの言葉を使っている。
それは、リポイスという英語で表されている。

2.子どもの発言を使うと、子どもの言葉で数理を作ることができる。子どもの頭の中で数理を再構成できる。「なぞる」といってもよい。これは、リハーサルという機能である。

3.カウンセリングマインド、傾聴、コーチングの観点では、子どもの発言をそのまま返すことが原則である。これによって、子どもの心も受容し、共感できる。だから、教師が言い換えると、受容しないということである。

4.教師は子どもの発言を復唱できないという事実がある。つまり、ずれるのである。

5.子どもの発言を復唱しないで、あえて別の言葉で置き換えると、結局、発言した友達の言葉は無視される。つまり、子どもは、友達の発言の後に、教師が何か要約してくれる。だから、教師の言葉だけに注目すればよいことを学ぶ。

6.反省的思考をうながすために、教師があえて復唱する。これは、ミラーリングと言われる。鏡としての復唱で、相手に気づかせるのである。また、これは、リフレクションともいう。

さらに授業力が上がるとどうするべきか。
教師が子どもの言葉を復唱できるようになると、次は、子ども達に友達の発言を復唱できるように求めるのである。つまり、「今、□□さんの発言はどのように言いましたか。」と復唱能力を高めるのである。
その次は、「□□さんの発言は、どういう意味ですか」と数理を再構成させるのである。思考の筋道を追わせるのである。
最後のレベルは、「□□さんの発言のよいところは何ですか」と数理のよさを明確にしていくことである。

理想の授業力を考えてみよう。このときは、教師は復唱せずとも、子どもたちが友達の発言を復唱して再構成しつつ、自分の考えと対比して話し合うのである。

このように、授業力の段階によって、授業の原則は異なる。
若い頃に指示された原則がベテラン教師の段階まで残っているのは悲しいすり込みである。守破離の原則をとらえた授業論でありたい。
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